ビーグル、13歳、雄、食欲の低下と下痢を主訴に来院。
小腸を由来とする腫瘤性病変を認めました。
十二指腸上行部から空腸への移行部において腫瘤性病変を認めました。また、その他の臓器における転移所見はありませんでした。
腫瘍の取り残しがないように腫瘍辺縁3cmの消化管を含めて摘出しています。
腫瘍を摘出後、腸管を縫い合わせました。
消化管間質腫瘍(GIST:gastrointestinal stromal cell tumor)
犬の消化管間質腫瘍に関する情報は現在まだ少ない現状ではありますが、その約半数程度で転移性の病変を形成します。
また近年では分指標的薬が効果を示す事も分かっていて、本症例でも実際に分指標的薬を使用しながら経過を診ています。
現在、症状も改善されており再発や転移性病変等も認めていません。
分子標的薬とは近年獣医医療でも応用されるようになってきた悪性腫瘍に対する新規治療薬の一つです。
当院では様々な病気に対応できるよう、新しい知見を積極的に取り入れ日々の診療に当たっております。