膝蓋骨は膝関節の屈伸運動に関与している種子骨で、膝のお皿とも表現されます。
膝蓋骨内方脱臼は小型犬種での発生が多く、骨格形成期に診断されることが多い膝関節疾患ですが、脱臼に関する根本的な機序はまだ明らかにされていません。
重症例では後肢骨格の正常な発育を障害する可能性があるため経過には注意が必要です。
当院では、触診や骨格変形の程度に応じた1~4段階のグレード分類や臨床症状に応じ、治療方針を決定しています。
チワワ (2.7 kg)
膝蓋骨内方脱臼 グレード3 慢性的な跛行が認められたため手術を実施しました。
(術前)(術後)
(術前)(術後)
手術方法には、滑車ブロック形造溝術、脛骨粗面転位術、膝関節周囲の筋肉・支帯の開放と再建実施を適応しました。
術後、再脱臼は認められず経過は良好です。